【嫌われる勇気】「目的論」が大切。「ポジティブ思考」は必要なし!?

「こんな自分じゃダメだ…」とネガティブ思考で悩んでいる人、いませんか。
かくいう私も「もっとポジティブに生きないと!」と意気込み、自己啓発書などを読む習慣をつけているところです

「ネガティブ思考→ポジティブ思考」への変換がマスト、そう考えていた矢先に、一冊の本に出合いました。
まだ読み込んでいる途中ですが、出だしからいきなり衝撃を受けます。

多くの人が聞いたこと、読んだことのある一冊だとは思いますが、自分にとってはかなり衝撃的でした。

その考え方を少しだけ紹介していきたいと思います。

「アドラー心理学」『嫌われる勇気』に出会う

なぜ『嫌われる勇気』を手に取ったか

はい、『嫌われる勇気』の紹介です。
哲学者 岸見一郎氏とフリーランスライター 古賀史健氏の著作ですね。

すでに読んだことのある人からすると「今さら?」って感じですよね。
手元にある奥付によると、2013年12月が『嫌われる勇気』の第1刷発行となっています。

なぜ今になって『嫌われる勇気』を読もうと思ったのか?
実は私が気になったのは、これの続きに当たる『幸せになる勇気』でした。

『幸せになる勇気』…。このタイトルを見て、胸にグサッとくるものがありました。

先日、退職の意思表明をして引き留められたときに気付いた、自己評価の低さ。
小学生のころから続く「失望が大きくなるから期待しない」というスタンス。
「悩んでも仕方ない、今できることに集中しよう」と思いつつも結局そうしきれず、それについてまた悩む日々…。

変わろうと思いながら、失望することを恐れて変わろうとしない自分。
『幸せになる勇気』は、そんな折に見つけたタイトルでした。

「そうだ、自分に足りないのは、まさに『幸せになる勇気』なんだ」

そして折角だから前作も読もう、と思って2冊同時にポチりました。
今は『嫌われる勇気』を読んでいる途中です。

「アドラー心理学」とは

『嫌われる勇気』は「アドラー心理学」を取り扱った内容で、登場人物2人の対話形式で書かれています。

 

「アドラー心理学」は、アルフレッド・アドラー(1870~1937年)によって創始された心理学の体系です。

正式には「個人心理学」と呼ばれますが、日本ではアドラー心理学という名前で知られています。

「目的論」という考え方に立脚し、フロイトの唱える「トラウマ」を明確に否定している点が衝撃的です。

 

アドラーやアドラー心理学について、詳しくはそれこそ『嫌われる勇気』を読んでみてください。

 

今回は「目的論」について。冒頭から私が衝撃を受けたこの観点について紹介します。

 

「原因論」と「目的論」

「原因論」=「こうだからこうなった」

アドラーが説くのは「目的論」です。

対して、フロイトなどが唱えるのは「原因論」。

 

「原因論」のわかりやすい例がトラウマです。

「私が人を信じられないのは、過去に裏切られた経験があるからだ」

「AだからB」と考えるのが原因論で、感情的には妥当なようにも思えます。

 

しかしこれは、突き詰めていけば「変わらない理由」になってしまうのです。

「私が悩むのはネガティブ思考が強いからだ」

「私のネガティブ思考が強いのは、そういう気質に生まれたからだ」

気質は変えられない。だから私がポジティブになれないのは仕方がない…。

 

原因論に執着すると、このような思考ループに陥ります。

はい、まさに昨今の私ですねー。

「目的論」=「こうなったのはこうしたいから」

アドラーはフロイトの唱えるトラウマを明確に否定しています。

そして「目的論」という視点で物事をとらえます。この目的論が私にとっては衝撃的でした。

 

「AだからB」というのが原因論。

対して「Bという目的があるからAという理由を使っている」というのが目的論です。

最初はわかりづらかったですが、『嫌われる勇気』を読み進めていくうちになんとなく納得できるようになります。

 

つまり私の場合は「ポジティブにならないという目的のために、自分の気質を理由にしている」ということです。

「ネガティブになりやすい気質だからポジティブになれない」というのが原因論。

「ポジティブになりたくないから気質を利用している」というのが目的論。

 

うん、痛いところ突いてきます。しかし次の疑問が浮かびますね。

「ポジティブになりたくない」としたら何のために?

答えは簡単、「幸せになる勇気」が無いからです。

 

「幸せになりたい。でもそのために失敗することは恐ろしい」

「このまま『理由があって変われない自分』でいた方が、傷付かないで済む」というわけですよなー。

グサグサきますね。

痛いところ突くどころか一刀両断にしてきます。

 

しかし、痛みを感じるということは事実なのですよ。紛れもない事実だからこそ、痛いのです。

 

目的論に立脚すれば「悩まない」

「悩んでも仕方がない、ポジティブにいこう!」と考えていた自分。

しかし現実はそう簡単にいかないものです。当然うまくいかず、また悩みます。

「ポジティブにいきたいけどできない…、自分はやっぱり駄目なやつだ…」というループに陥りますね。結局、これは原因に執着してしまっているからです。

 

そんなときに目的論に触れたらどう思いますか。

そもそも目的論で考えると、ポジティブとかネガティブとか関係ないです。

前回の記事で「不安への対処法」を紹介しましたけど、もうそういう次元の話じゃない。

 

「変わらないために不安という感情を使っているだけ」

 

もちろんこの考え方を、悩んでいる人全員に突きつけてうまくいくとは思いませんよ。

物事を受け入れられるかどうかは、その人自身の状況によりますから。

受け入れられないのは「受け入れられる準備ができていないから」です。

その辺りの考え方は「喪の仕事」/「死の受容過程」などを知れば理解できるかと思います。

 

まとめ

アドラー心理学や『嫌われる勇気』の内容については、「目的論」以外にも語るべきところがたくさんあります。

ただ私自身もまだまだ読み進めている途中ですし、自分の浅はかさを思い知っている真っ最中です。

 

「目的論」という視点を知る。
「変われない」ではなく「変わりたくない」。変わることを恐れている。

 

最初こそ登場人物の青年のことを「青いなぁ」と思いながら読んでいましたが、読み進めているうちに自分こそがこの青年だったのだと気付きます。

ここ数ヵ月の自分と周囲を振り返ってみて、まさに自分はこの青年と同じではないかと、滑稽にすら思えてきますね。

 

昔から影響を受けやすい質なのを自覚していますので、こうして書いていても登場人物の言い回しに影響を受けていると自分自身で感じています。

対話形式で展開していくため、自己啓発本というよりも小説に近い感覚で読み進められますよ。

 

まだ読んでいない人、私のようにベストセラーを読まず嫌いしている人は、騙されたと思ってぜひ一度読んでみてくださいね。

 

 

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