【インク沼】万年筆インク3種。それぞれの違いと注意点とは。

※記事内にAmazonアソシエイト・プログラムやその他アフィリエイトを活用した広告リンクがあります


 

「インク沼」という言葉を聞いたことがありますか?

 

万年筆やガラスペンが近年、盛り上がりを見せています。

そのブームを支える一つが「インク」の存在。

その美しさや多様さは多くの人を魅了し「インク沼」と呼ばれ、一つのジャンルを確立するほどです。

 

今回はそんな「インク」の種類や、扱う際の注意点について、それぞれ紹介していきます。

万年筆用インクの種類

まず皆さん「万年筆のインク」と聞いて、どんなものを想像するでしょうか。

実は「インク」の色って黒だけじゃないんです。元々万年筆に使われていたのは没食子インクの「ブルーブラック」ですし、色だけでなく性質も様々で扱いやすさにも関わってきます。

 

それでは早速、万年筆用インクの主な種類を見ていきましょう。代表の商品もメーカーと合わせてご紹介していきます。

染料系インク

染料系インク」は、現在最もポピュラーな万年筆インクです。

 

カラーバリエーションが豊富で、ペンの故障にもつながりにくい、初心者にも扱いやすいインクですね。

国内外問わず様々なメーカーから発売されていて、コスパが良いのも魅力の一つです。

 

また、「インクブレンダー」と呼ばれる方が個人の好みに合わせた色を調合するイベントなども開催されています

 

 

顔料系インク

顔料系インク発色の良さ高い耐水性・耐光性が特徴です。

 

染料系インクと比べて種類は少ないですが。こちらも黒だけでなくカラーインクが出ています。

 

「手紙の宛名などが消えると困る」、「手帳の文字が濡れてにじむのがイヤ」という方はこちらのインクを使ってみると良いかもしれません。

ただし水に溶けにくい性質があり、ペン先が乾いてドライアップしたときのメンテナンスは染料系インクに比べて大変なので注意が必要です。

 

 

没食子インク(古典インク)

没食子(もっしょくし)インク」は「古典インク」とも呼ばれます。

 

没食子インクは、鉄イオンと没食子酸(もしくはタンニン酸)を混ぜ合わせて作られ、鉄の酸化による色味の変化を楽しめるのが最大の特徴です。

 

前述した「ブルーブラック」ですが、没食子インクは酸化によって黒い文字を出すので、酸化する前は無色の状態です。

それだと書いているときは何を書いているかわかりませんので、あらかじめ薄い青をつけて不便さを解消しました。

青→青みがかった黒=「ブルーブラック」へと色が変化するというわけです。

 

没食子インクの歴史は古く、完全な形で現存する最古の聖書『シナイ写本』も、没食子インクにより書かれたものです(4世紀半ばに書かれたといわれています)。

 

鉄を腐食させる性質から、万年筆愛用者の間では金ペン(ペン先が金でできたもの)以外での使用をタブーとする風潮があります。

 

インク自体の改良やステンレススチール技術の進歩によりそこまで神経質になる必要はなくなっているようですが、使用には注意が必要です。

 

 

それぞれのインクのメリット・デメリット

万年筆やガラスペンに使われるインクの種類について見てきました。

それぞれのメリットデメリットについてまとめていきましょう。

染料系インクのメリット・デメリット

カラーバリエーションが豊富
コスパが良く初心者向け
× 耐水性・耐光性が低い

 

顔料系インクのメリット・デメリット

発色が良い
耐水性・耐光性が高い
× ドライアップに注意

 

没食子インクのメリット・デメリット

〇 時間経過による色味の変化が楽しめる
耐水性・耐光性が高い
× ペン詰まりや鉄の腐食に注意

 

耐水性・耐光性の高さは一般的に、

顔料系>没食子>染料系」です。初心者の方には「染料系インク」がオススメ。

 

共通の注意点

どのインクを使う場合でも、共通して注意すべきなのは「ペンにインクを入れたまま長期間放置しない」という点です。

 

インクには水分が含まれていますが、その水分は時間とともに蒸発していきます。

顔料系インク没食子インクドライアップしてしまうと、専用のキット(薬品)を使ったメンテナンスが必要です。

 

また「シマーリングインク」と呼ばれるラメ入りのインクがありますが、基本的にはガラスペンなどのつけペンでのみ使用し、万年筆には使わないのが無難です。

 

まとめ

万年筆インクについて、それぞれの特徴注意点について説明してきました。

 

  • インクは大きく分けて3種類。

   (「染料系インク」「顔料系インク」「没食子(古典)インク」)

  • 染料系インク」は初心者にもオススメ。
  • 顔料系インク」は耐水性・耐光性が最も優れている。
  • ドライアップに注意。

 

私のオススメは

SAILOR(セーラー) SHIKIORI-四季織-」です。

四季を表した和風な色味がとてもイイ。

 

 

皆さんもお気に入りのインクを見付けて、美しい「インク沼」の世界に足を踏み入れてはいかがでしょうか。

 

タイトルとURLをコピーしました