【メラビアンの法則】「人は見た目が9割」?コミュニケーションの3要素とその割合

突然ですが、「メラビアンの法則」って聞いたことありますか?

よく「人を見かけで判断してはいけない」という言葉は耳にしますよね。

 

しかし考えてみれば、わざわざ「してはいけない」ということは、誰もがそう思ってしまうということなんですよ。

つまり意識していないと「人を見かけで判断してしまう」のです。

 

それを実証しているのが「メラビアンの法則」。

 

今回は「メラビアンの法則」について解説していきます。

「メラビアンの法則」とは

まず「メラビアンの法則」とは何かですが、これはアルバート・メラビアンというアメリカの心理学者が提唱した概念です。

 

メッセージを受け止める際、どの要素がどのような割合で受け手の好意に影響を及ぼすかを示した内容になっています。

 

メラビアンによると、コミュニケーションの3要素は以下の通り。

・言語情報:話の内容

・聴覚情報:声のトーンや口調、喋る早さなど

・視覚情報:見た目や相手の態度など

 

視覚情報と聴覚情報はノンバーバル(非言語的)コミュニケーション、言語情報はバーバル(言語的)コミュニケーションと呼ばれます。

 

コミュニケーションの3要素、それぞれの割合は?

「言語情報」の割合は7%

言語情報とは「話の内容」のことです。

人と話したり何かを発表したりするときって、「何を話そうかな」という内容を考えますよね。

 

もちろん仕事の報告や会議などでは「何を話すか」「わかりやすく説明するか」が重要です。

しかし日常会話だったり、実は就職活動の面接などでも重要なのは、「何を話すか」より「どう話すか」なのですよ。

 

というのも、言語情報はコミュニケーションの3要素のうち最も相手に与える影響が少ないのです。

その割合はなんと7%。

 

要するに、「人は相手の話している内容はそんなに聞いてない」ってことなんですね(語弊があるかもしれませんが…)。

 

特に恋愛や家族関係では、表情や声のトーンなど「どう伝えるか」、ノンバーバルコミュニケーションを意識した方がうまくいくと思いますよ。

 

「聴覚情報」の割合は38%

聴覚情報は声のトーンや喋る早さなどの「耳で聞く情報」ですね。

 

メラビアンの法則によると、聴覚情報は38%の割合で相手の印象に影響を与えます。

 

たとえば同じ「おはよう」でも、不機嫌そうにいわれるのと明るいトーンでいわれるのとでは印象が全然違いますよね。

それに朗らかな笑顔もプラスされたらどうでしょうか。

言語情報は同じ「おはよう」ですが、相手に与える印象はガラリと変わります。

 

バーバルコミュニケーションである言語情報の割合はわずか7%。

聴覚情報と、後述する視覚情報を合わせたノンバーバルな要素が印象に与える影響は、合わせて93%です。

話す内容よりも表情や声のトーンに気を配った方がはるかに効果的といえますよね。

 

「視覚情報」の割合は58%

視覚情報とは表情や身振り手振りなど、「目で見える行動」のことですね。

 

視覚情報が相手の印象に与える影響は55%。

コミュニケーションの3要素の中でも、実は1番大きな影響を与えるのです。

 

話をしていて身振り手振りの大きい人、周囲にいませんか?

周囲にというか私もそうなのですが、これは「相手に伝えよう」という気持ちが強い人なのですよ。

その気持ちは、身振り手振りを通して相手にもしっかり伝わるんです。

 

冒頭で「人を見かけで判断してはいけない」という言葉を挙げましたが、見た目の清潔感も印象に大きな影響を与えます。

いくら理路整然と話していても、髪がボサボサだったり服がヨレヨレだったりすると信用しにくいですよね。

 

視覚情報は55%の割合で相手の印象に影響を与える、という研究結果が、その理由を表していますよね。

 

「7-38-55のルール」活用と注意点

メラビアンの法則は言語情報・聴覚情報・視覚情報の割合から「7-38-55のルール」とも呼ばれています。

良い印象を与えるために意識すること

相手に好印象を持ってもらいたいと思ったら、「何を話すか」よりも「どう話すか」に焦点を当てましょう。

その際に重要なのがノンバーバルコミュニケーションを重視した考え方です。

 

清潔感のある服装、笑顔、落ち着いたトーンで話すなどですね。

 

私もそうですが、「人と話すのが苦手」という人ほど言語情報に注目しがちです。

どう返答しようか、こんな言い方をしたら嫌われないかな…そう気負うと、ますます緊張して、表情も硬く声も小さくなってしまいます。

すると会話がぎこちなくなって、いたたまれない気持ちになってしまうんですよね。

 

しかしそれは「うまく話せなかった」という問題ではないのです。

そもそも人は「自分の話を聞いてほしい」と思うものなので、「どう聞くか」も重要なのですよ。

 

話をするときに使いやすいのが「オウム返し」です。

「いい天気ですね」「そうですね、いい天気ですね」。

「今日、こんな困ったことがあってさ」「そう、困ったことがあったんだ」。

言っていることをそのまま繰り返すだけですが、「肯定されている」という気持ちを相手に与えます。

 

話の内容よりも「自分と相手との間にコミュニケーションが成立している」という実感から満足感を得られるのです。

このようなやり取りを「交話的コミュニケーション」といいます。

 

この時に意識するのが視覚情報・聴覚情報というノンバーバールな要素です。

緊張せずに、目元を緩めて、穏やかな雰囲気で相槌を打つ。

 

話しやすい雰囲気さえ作れれば、あとは相手が話し始めてくれるものですよ。

 

誤解釈に注意!

話し方教室や面接対策など「メラビアンの法則」は様々な場面で活用されています。

 

ただし、全てのコミュニケーションにおいてメラビアンの法則が有効というわけではありません。

 

メラビアンの法則はあくまでも、「好意・反感などの感情に関するコミュニケーション」で「どちらとも取れるメッセージ」を相手がどう受け止めるか、という割合に関する法則です。

会議や商品説明など、事実のみを伝えたりする場面に適用される考え方ではありません。

 

単純に「人は見た目がすべて!」「話す内容は二の次!」という概念ではないので、誤解釈には注意しましょう。

 

まとめ

メラビアンの法則について3点でまとめると、以下の通り。

・コミュニケーションの要素は「視覚情報」・「聴覚情報」・「言語情報」の3つ

・9割以上の割合で、ノンバーバルな要素が受け手の印象に影響を与える

・「見た目がすべて」「話の内容は二の次」という考え方ではない。

 

対人関係に苦手意識がある人ほど、話の内容よりも見た目の清潔感や穏やかな表情、落ち着いたトーンで話すことを意識しましょう。

コミュニケーションで大切なのは「肯定されている」「話を聞いてもらえる」という実感、安心感です。

 

「人を見た目で判断してはいけない」というのは、裏を返せば「見た目で判断しがち」ということ。

その根拠は「メラビアンの法則」で説明できます。

 

「見た目で判断するなんて自分はダメなやつなんだ」と思う必要はないし、むしろそれが普通なのですよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました