私はネガティブ思考が強く、職場の同僚に「マイナス思考強すぎじゃない!?」と驚かれるほどです。
どのくらいネガティブかというと、ここ数か月間「自分は役に立てていない」「このままみんなに負担をかけるくらいならいっそのこと」と考え続けて、あわや退職しかけました(実話)。
キャパオーバーで疲れていたにしても、さすがにネガティブ過ぎるのでは?
そう思って調べたところ、「幸せホルモン」が不足しているのかなー、と考えました。
そこで、「幸せホルモン」=「セロトニン」が不足する要因や、分泌を増やすためにはどうしたら良いのか、調べてわかったことを皆さまにもご紹介していきます。
「幸せホルモン」とも呼ばれる「セロトニン」
そもそも「セロトニン」って?
「セロトニン」とは脳内の神経伝達物質のひとつです。
「幸せホルモン」とも呼ばれ、他の神経伝達物質であるドーパミン(喜び・快楽)やノルアドレナリン(恐怖・驚き)などの情報をコントロールして、精神を安定させる働きがあります。
セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れやすくなり、不安感や攻撃性が高まったりします。
それが最終的には、うつ病や睡眠障がいの引き金になってくるというわけですね。
体内でセロトニンを合成するには、必須アミノ酸である「トリプトファン」を摂る必要があります。
トリプトファンは、日中はセロトニン、夜は「メラトニン」に変化するそうです。
メラトニンは睡眠を促す働きがあり、これの不足は寝つきの悪さや不眠症へとつながります。
セロトニンが不足する要因
セロトニンが不足する最大の要因はストレスだといわれています。
ストレス中枢が興奮すると、脳幹にあるセロトニン神経を直接抑制してセロトニンの分泌が少なくなってしまうのです。
セロトニン神経が弱り、分泌が少なくなると、脳内にセロトニンが十分に存在していない「セロトニン欠乏脳」という状態に陥ります。
セロトニン欠乏脳になると、慢性的な目覚めの悪さ、姿勢のゆがみ、精神的な不安定さ、自律神経失調症など…様々な症状が現れるのです。
私はHSP気質をもっています。
HSPは刺激を受けやすく、頑張り屋でストレスを抱え込みやすい性格の人が多いです(自分でいうのもなんですが)。
ストレスを受けやすい上に、ストレス耐性が低い。
そしてストレスが強まるとどうなるか?
そう、セロトニンが不足するんです!
要するにHSPのネガティブ思考は単純に「メンタルが弱い」とかそういう話だけではないんですな。
メンタルだけじゃなくて、脳の問題なんです。
これ、うつ病とかも同じですよ。
セロトニンを増やそう!
HSPの、というか私のネガティブ思考がメンタルだけの問題じゃないというのがわかったところで、次は「じゃあどうしたら良いのか?」を考えてみましょう。
「バランスの良い食事」で、必須アミノ酸「トリプトファン」を摂る
1つ目は「バランスの良い食事が大切」ということです。
セロトニンの合成には必須アミノ酸の「トリプトファン」が必要です。
しかし「これだけをひたすら摂ればいい!」とは当然なりません。
栄養面からみて、セロトニン合成に大きく関わるのは以下の3点といわれています。
①必須アミノ酸「トリプトファン」
②ビタミンB6
③炭水化物
トリプトファンは体内で生成できないため、食事から摂る必要があります。
トリプトファンは主に豆腐・みそなどの大豆製品、牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類に多く含まれており、他にはごま・ピーナッツ・卵・バナナにも含まれています。
肉や魚にもトリプトファンは含まれていますが、動物性たんぱく質はトリプトファンを脳に取り込みにくくします。
ただし「ビタミンB6」や「炭水化物」と一緒に摂取して血糖を上昇させれば、動物性たんぱく質に含まれるアミノ酸が筋肉に作用して、トリプトファンの合成が促進されるそうですよ。
ビタミンB6はカツオやまぐろなどの赤身魚、豚ヒレ肉や鶏ささみなどの脂が少ない肉類に多く含まれています。
植物性でビタミンB6を手軽に摂れる食品としては、バナナやさつまいもが挙げられますね。
ちなみに、セロトニンが不足すると甘いものや炭水化物を多く摂りたくなる傾向がみられます。
このような過食・食欲増大は「冬季うつ」の代表的な症状としても挙げられているので、糖類の摂りすぎには注意が必要ですよ。
日光を浴びる
セロトニンを増やすための行動、2つ目は「日光を浴びること」です。
体内に摂りこまれたトリプトファンがセロトニンに変化するためには、日光が欠かせません。
「日焼けが心配」という方も、ご安心ください。
セロトニン合成の活性化は、目の網膜が光を感じることで起きます。
日光を直接皮膚に当てる必要はないため、長袖の服を着ていたり日焼け対策をしていたりしても大丈夫ですよ。
「朝起きたら日の光を浴びよう」とよく聞きますよね。
朝日を浴びることは体や頭を覚醒させるスイッチになり、体内のリズムを整える働きも期待できます。
目安としては1日20~30分程度、日光を浴びると良いそうですよ。
特に冬は日照時間が短くなり、日光不足になりがちです。
「冬季うつ」といって、秋から冬にかけて気分が落ち込み、春先になると自然に回復してくる症状も知られるようになってきました。
私も気分が落ち込むことは冬場に多いので、この傾向があるのかなーと感じています。
「リズム運動」
3つ目は「リズム運動を行うこと」です。
セロトニンの合成には、一定のリズムを刻む「リズム運動」が効果的だといわれています。
「リズム」と聞くとダンスなどを想像しますが、必ずしもそのような特殊な運動をする必要はありません。
日常生活レベルでの「歩行」「呼吸」「咀嚼(そしゃく)」など、一定のリズムを刻む運動を継続することで効果が期待できます。
運動を始めて5分後くらいから効果が出始め、20~30分でピークに達するそうです。
「疲れた」と感じるレベルになると逆にセロトニンの機能が低下するため、20~30分を目安に続けると良いでしょう。
注意したいのは、リズム運動は「ただ単にやっていればいい」というわけではなく、意識的に行うことが大切だという点です。
呼吸に集中するマインドフルネス瞑想やヨガの他、歌ったり楽器を吹いたりすることも呼吸のリズム運動として効果的です。
毎日継続するとしても、通勤で人混みの中を歩くのは刺激が多く集中できないため、セロトニンの合成効果はあまり期待できません。
前述の日光を浴びることと合わせて、早朝の人通りの少ない静かな道を散歩したり、ウォーキングしたりするのがおすすめですよ。
まとめ
「幸せホルモン」=「セロトニン」が不足する要因と、セロトニンの分泌を増やすにはどうしたら良いかを見てきました。
セロトニンが不足する最大の要因は「ストレス」です。
現代は「超ストレス社会」ともいわれるほど、ストレス要因が溢れかえっていますし、そもそもストレスを受けずに生きるというのは不可能です。
そのため、ストレスを受けることを前提に「減らす」「解消する」「溜め込まない」という、回復力を上げる方向を考えていく必要があります。
セロトニンを増やすために、日常的に心がけたいのは以下の3点です。
・バランスの良い食事を摂る。
・意識的に日光を浴びる。
・「リズム運動」を取り入れる。
「気分が落ち込む」「自己否定が強い」というのはメンタルの問題だととらえられがちですが、セロトニン不足という脳の働きにもよることがわかりましたね。
ネガティブ思考は自分も相手も、誰も得しませんから。
「幸せホルモン」を増やして、ハッピーな毎日を送りましょう!
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