【書籍紹介】『科学的な適職』|ネガティブ思考でリスク回避。

「こんなはずじゃなかったのに…」。

 

仕事や恋愛、「こんなはずじゃなかった」と感じる場面は、様々ありますよね。

 

「自分は冷静だ」と思っていても、実際に冷静に物事を考えられる人は少ないもの。

人間にはバイアスと呼ばれる、認知の偏りがあるからです。

 

そこで今回は『科学的な適職』で紹介された、選択に役立つテクニックを2点お伝えしていきます。

 

「プレモータム」

プレモータムとは、選択が「完全な失敗」に終わった場面を想像して、原因と解決策を明らかにするバイアス解除テクニックです。

 

あえて最悪な状態を想像し、その原因や経緯まで深堀りして考えていくことで、「こんなはずじゃなかった」という後悔を未然に防げるようになります。

 

プレモータムの手順は以下の通り。

<プレモータム>

  1. あなたの選択が「完全な失敗」に終わった場面を想像する。
  2. 「失敗」の原因を、思いつくまま紙に書き出す。
  3. 「失敗」に至るまでの過程を想像する。
  4. 「失敗」の過程・原因から、具体的な解決策を考える。

 

例えば「うまい儲け話があるんだけど」と、知人から声をかけられたとしましょう。

信用できない相手ではないし、なんだかメリットが多そう。

自分にとって都合の良い話を聞くと、人は冷静ではいられなくなるものです。

 

そこでプレモータムを思い出してください。

うまい話には裏がある、お金を騙し取られて家族には見放され、自分が路頭に迷う未来を想像するのです。

そうなった原因は何か?「この人なら大丈夫だろう」と信用して、家族に相談もせずお金を預けたこと。

結果、「もっと良い話がある」と次々に話を持ちかけられ、「これまで費やした分がもったいない」とサンクコストバイアスの沼にはまっていく…。

ではどうすれば「最悪の事態」を防げるか?知人からの話を、自分なりに調べてみる。家族に相談するなどが想像できますね。

 

大切なのは「即決しない」。重要な選択は、一旦持ち帰ってしっかり考える時間を設けた方が良いでしょう。

「今だけ特別」「すぐに返事がほしい」と急かすやり方は、人間の心理を利用したよくある商法です。

 

少し話が逸れましたが、「プレモータム」はネガティブな思考を活用して、リスクを最小限に抑えるテクニック

ネガティブ思考や心配性にコンプレックスを抱いている人にこそ、意識して活用してもらいたいですね。

 

10/10/10テスト

10/10/10テストは、長期的な視点で物事を考えたいときに役立つテクニックです。

活用すれば、人間が苦手な「未来予測」の精度を高められます。

 

選択するときに大切なのは、「選択した瞬間」ではなく、「選択した後の人生」ですよね。

 

人間はそもそも、未来を予測できるように作られていません。

「このまま今の仕事を続けたらどうなるか」「この仕事を選んだらどうなるか」など、将来を予測するのは苦手なのです。

 

10/10/10テストの手順は以下の通り。

<10/10/10テスト>

  1. 選択した場合の、10分後の自分を想像する。
  2. 選択した場合の、10ヵ月後の自分を想像する。
  3. 選択した場合の、10年後の自分を想像する。

 

「近い未来」「少し先の未来」「遠い先の未来」と順番にイメージすることで、予測の精度が高くなります。

 

「ちょっと予算オーバーだけど、家賃の高い家に引っ越しても大丈夫かな」

10分後の自分→「引越し先が決まって安心しているだろう。引っ越しの段取りも進めないとな」

10ヵ月後の自分→「オーバーした分の家賃で家計が圧迫されているかも」

10年後の自分→「家賃を支払うのが厳しくて、引っ越しているかもしれない」

 

逆に「昇給ペースを考えれば大丈夫だろう」となる場合もあるかもしれません。

 

大切なのは「長期的な視点で考える」という点です。

余裕がない人ほど目先のことにとらわれて、結果的に余計な労力や出費が増える傾向にあります。

 

10/10/10テストを活用すれば、長期的な視点で物事を考える習慣を身につけられるでしょう。

 

まとめ

「プレモータム」と「10/10/10テスト」、選択に役立つ2つのテクニックを紹介しました。

<プレモータム>

  • 選択が「完全な失敗」に終わった場面を想像し、解決策を考える。
  • ネガティブ思考の有効活用。

 

<10/10/10テスト>

  • 10分後・10ヵ月後・10年後の自分を想像し、未来予測の精度を高める。
  • 長期的な思考が身につく。

 

大切なのは「冷静に」「長期的な視点で」物事を考え、選択することです。

ネガティブ思考や心配性も「リスク回避の才能」ととらえて、有効に活用していきましょう。

 

今回の2つのテクニックは、『科学的な適職』で紹介されていたテクニックです。

『科学的な適職』 著:鈴木祐

「悪い労働環境が健康に与えるリスク」や「幸福度の高い仕事選びのコツ」などを学べる一冊。

 

「Amazon Kindle Unlimited」の読み放題対象書籍なので、利用している方はお得に読めます。

まだ読んでいなければ、ぜひ読んでみてください。

 

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