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『「静かな人」の戦略書』―。
ダイヤモンド社からの出版で、先月末に発売されたばかりです。
内向型な著者ジル・チャン氏のエピソード、また「自分らしさを活かしていく」というメッセージは、どれも共感できるものばかり。
「静かな人」=内向型/HSPにおすすめな本がまた一冊増えました。
半分ほど読み進めたので、ここまでの感想をまとめます。
『「静かな人」の戦略書』
『「静かな人」の戦略書』、著:ジル・チャン、翻訳:神崎朗子。
ダイヤモンド社より、2022年6月29日に出版されました。
《著者ジル・チャン氏について》
- 台湾出身の女性。
- アメリカの非営利団体でフィランソロピー・アドバイザーを務める。
- 著作が米アマゾンのランキング1位を獲得。
- 『「静かな人」の戦略書』は台湾でベストセラー1位、20週にわたりトップ10にランクイン。
- 現在は母国の台湾・台北市に拠点を置き、内向型のキャリア支援やリーダーシップ開発のため国際的に活躍。
一体どれだけすごい人なんだ…と感じるでしょう。ところが、当のジル・チャン氏は自身のことを❝とても無口で、コーヒーを買ったときのおつりが間違っていても、言い出せないほど❞恥ずかしがり屋だと述べています。
実際、『「静かな人」の戦略書』で語られるジル・チャン氏のエピソードは、内向型/HSPにとって「あるある」と共感できるものばかり。
ジル・チャン氏は、自身がここまで成功できた理由について次のように記しています。
以下、『「静かな人」の戦略書』、PART1~CHAPTER1~ より引用
悶々と悩んでいた駆け出しのころから現在までの道のりを振り返ると、以前の私は、自分以外の何者かになろうとして、必死にもがいていたのだとわかる。
私が自分のために起こした最大かつ最良の変化は、そのことにちゃんと気づいて、自分らしく、内向的な性格のまま生きていこうと決めたことだ。

「自分らしく生きていこう」は、
内向型にとっていちばん大切な考え方です。
- 「ダメな自分を変えたい」
- 「自分の適職って何だろう」
『「静かな人」の戦略書』は、そんな悩みを抱える多くの内向型/HSPに、ぜひ読んでもらいたいおすすめの一冊です。
「内向型」、「HSP」
まず前提として、「内向型」と「HSP」はイコールではありません。
HSPには「DOES」とよばれる4つの特徴があり、内向的な傾向のほか、共感力の高さや刺激への敏感さ、それらによる疲れやすさを持っています。
またHSPは以下の4種類に分けられることが多く、必ずしも全員が「内向型」というわけではないのです。
《HSPの種類・概要》
- HSP:内向的
- HSE:外向的
- HSS型HSP:内向的で刺激を求める
- HSS型HSE:外向的で刺激を求める
とはいえ、典型的なHSPは内向的であり、性格傾向や仕事・生活上の悩みは内向型な人との共通点が多くなります。
『「静かな人」の戦略書』でいう「静かな人」とは、あくまでも「内向型な人」であり、HSPに限った話ではありません。
しかし、著者ジル・チャン氏は紛れもなくHSP気質、DOESの特徴を持ち合わせていると感じますし、文中でもHSPについての記述がでてきます。
そのため、内向型とHSPはイコールではないものの、『「静かな人」の戦略書』はどちらにもおすすめできる一冊なのです。

HSP/非HSP問わず、
「内向型」な人におすすめです。
「内向型」の強み
内向型/HSPの強みは、以下の2点にまとめられます。
- 徹底した「分析能力」
- 傾聴力による「安心感」
徹底した「分析能力」
「分析能力」の高さは、内向的な人の強みです。
内向型/HSPは、ひとつの物ごとに対して深く考え、あらゆるリスクやそこに至る原因を予測し、徹底的に準備をする傾向が強い。
また、心配や不安を取り除くためにあいまいな状態を嫌い、些細な点にも「なぜ?どうして?」と考えを巡らせがちです。
物ごとをより良く、より安全に進められるほか、周囲の人たちが考えもしない視点から切り込むことができる。
これは「分析能力」という強みがもたらす、内向型/HSPの特徴といえるでしょう。
傾聴力による「安心感」
次に、内向型/HSPは傾聴力に優れ、相手に「安心感」を与えます。
内向型は外向型に比べて、自分から話し始めることが少ない代わりに、相手の話をじっくり聴く「聞き役」に回る機会が多いです。
その姿勢、傾聴力から、外向型よりも落ち着きや飾らなさを相手に感じさせる傾向があります。
これらは相手に「安心感」を与え、うまく活用すれば、私生活でも仕事でも良く作用してくれるでしょう
初対面の相手にもグイグイ距離を詰めてしまう外向型は、ともすれば相手の警戒心を高めてしまうリスクを持っているのです。
傾聴力に優れ、穏やかな態度や距離感で、相手に「安心感」を与えられる。
これもまた、内向型/HSPの強みといえます。

相手を「ほっ」とさせられるのは、
内向型の強み。
「内向型」の適職
内向型/HSPの適職について、ジル・チャン氏は『「静かな人」の戦略書』で、他の書籍とは違う視点から切り込んでいます。
以下、『「静かな人」の戦略書』、PART1~CHAPTER6~ より引用
さらに、適職として挙げられた職種は、いずれも専門性が高いと考えられる。つまり、必要な資格やライセンスを取得するのに、かなりの時間を要するということだ。
~中略~
例の内向型フォーラムでの大学生の質問に対して、私はこう答えた。
「内向型に向いている仕事というのはありませんが、あなたに向いている仕事ならあります。」
あなたが自分の強みを見出し、内向的な性格を受け入れれば、自分にぴったりの仕事を見つけることができるのだ。
先日、Twitterでフォロワーさんのスペースを聞いていたときも、「『要経験』の求人ばかりで、そもそもいつ経験できるの!」と、未経験分野への転職の難しさが話題になっていました。
確かに、30代や40代になってから内向型/HSPの「適職」とよばれる仕事に就こうとしても、専門性の高さから断念するケースは多いと思います。
だからこそ、「内向型に向いている仕事」ではなく、「あなた(自分)に向いている仕事」を考える必要があるとジル・チャン氏は述べているのです。
仕事については、以下を踏まえて「自分にとっての適職」を考えていきましょう。
- 自分のやりたいこと何か
- 自分の強みは何か
- 自分の強みを活かせる環境はどこか

仕事については意外とバッサリ。
「使用の心理学」に立脚して考えましょー。
まとめ
台湾出身の著者ジル・チャン氏の『「静かな人」の戦略書』、半分ほど読んで感想をまとめました。
- 内向型/HSPの強みは「分析能力」と「安心感」。
- 「内向型に」ではなく「あなたに」向いている仕事。
輝かしい経歴のジル・チャン氏。しかしその日常は、「あるある!」と共感できる内容に満ちあふれています。

エピソードや例え話がわかりやすく、
内向型/HSPには「あるある」なのですよね。
一流の、しかし超内向的な人間が提案する、実体験を通した仕事の「戦略」。
HSP/非HSP問わず、おすすめできる一冊です。
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